マダガスカル産のサマルスキー石です。
サマルスキー石(Samarskite)は放射性を有する希土類鉱石(英語版)のひとつであり、(YFe3+Fe2+U,Th,Ca)2(Nb,Ta)2O8(またはYFe3+Nb2O8 )の組成を有するイットリウムサマルスキー石(Samarskite-(Y))と
(YbFe3+)2(Nb,Ta)2O8の組成を有するイッテルビウムサマルスキー石(Samarskite-(Yb))(希産)が含まれます。
ずんぐりとした角柱状の黒から黄褐色を呈する斜方晶、双錐型の結晶として結晶化しますが、通常は他形の塊として発見されます。高濃度にウランを含有した試料は典型的なメタミクト鉱物(アモルファス:非晶質)であり、黄褐色の土皮に覆われて現れる事が多いです。
このサマルスキー石は、転石となり角は無くなったと思われますが、欠けた部分は黒光してメタミクト化している事が分かります。
イットリウム、ニオブ、ウラニウム、トリウム、タンタルを含む、まさに希元素のオンパレードで、一部のマニアには堪らない石となっています。
ウランやトリウムを含むため放射線があり、この個体の表面線量は大きさもあり約450μSv/hと強めです。
マダガスカル島の中央部アンタナナリボ県には多数の花崗岩ペグマタイトがあり、20世紀初にフランスの鉱物学者たちによって盛んに調査されたそうです。ペグマタイトに濃集するニオブやウラン、希土類元素が資源として有用かもしれないと考えられていました。このサマルスキー石はだいぶ以前に日本に入れられた標本で、今では入手する事は難しいようです。
Tsaramanga, vers Antisrabe, Madagascar
35.8×33.2×21.3mm 67.60g
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