島地大等編『漢和対照 妙法蓮華経』です。
読み仮名付きの漢訳の原文に、読み下しを
対照させて読みやすい体裁です。
作家・宮澤賢治が法華経に帰依し愛蔵したのがこの本で、赤い表紙と表題の梵字やインド風の絵が金文字で押された印象的な造本です。
ちなみに表表紙の梵字(実際には現在インドで用いるデーヴァナーガリー文字)は、法華経のサンスクリットの原題である、
『サッダルマ・プンダリーカ・スートラ』と記されています。
後に復刻版も出ますが、出品は今から約100年前の大正15年(1926年)発行の、大変貴重なオリジナル版です。初版ではありませんが、まだ宮沢賢治がご存命中のものです。
天には金塗りを施した天金仕様になっています。
この天金は復刻版にはなく、また用いる用紙から、
復刻版は本体が少し厚めになっていますが、
こちらオリジナル版はスリムな佇まいです。
また、巻頭に赤と青の別色の印刷がありますが、
復刻版では少しくすんだ色合いになっていますが、
こちらオリジナル版は赤も青も鮮明で美しい印字です。また復刻版にはない、栞紐が付いています。
現在は復刻版でさえ入手が難しく、
こちらはさらになかなか市場に出ないものです。
背表紙にヤケがありますが、表表紙と裏表紙の
赤は非常に鮮明で、100年近い経年を全く感じさせない、最近のものではと見まがうような美しい保存状態です。
天金も小傷やくすみが少しありますが、
全体の状態は良く、ピカピカのままです。
お探しでいらした方に、宮澤賢治のファンの方に、
ぜひどうぞ。
注意事項
函がなく、本体のみの出品です。
背表紙面にヤケによる退色がありますが、
表表紙と裏表紙は赤が鮮明なままです。
紙周りに黒ずみなどあり、天金に小傷やくすみが一部あります(画像)。
本文に蔵書印、ページによってシミなどあります(画像)。折れ跡があるページが数枚あります(画像)。
栞紐がありますが、おそらく元の長さより短くなっているものと思われます。
裏見返しに古い古書店のタグが貼ってあります(画像)。
無理に剥がすともとの紙が損傷する可能性があり、
また現在では存在しないお店で、タグも古いもので、タグそのものも貴重と思い、このままでお譲りいたします。
以上、画像と説明をご覧いただき、状態のご了承をいただける方のお求めをお願い致します。